【利用体験】観光バス「るーぷる仙台」で移動するメリットとデメリット

観光用の路線バス「るーぷる仙台」の一日乗車券を利用して、仙台市内で半日の一人旅をしてきました。

このバスを使って感じたメリット・デメリットと実際に利用した体験を書いていきます。

新型コロナウイルスの影響で運営状況が日々変わります。
行く時は最新の情報に注意して下さい。

仙台観光で「るーぷる仙台」を利用するかどうか考えている方のに参考になれば嬉しいです。

利用して感じたメリットとデメリットをまず書いていきます。

良かった点
・休日は15分(平日は20分)間隔の運行なので気分次第で滞在時間の調整ができる
・バス内で観光スポットの説明を聞ける
・地理が分からなくてもメジャーなスポットを回れる
・一日乗車券を持っていると割引料金で施設に入れる
ビミョーな点
・混んでいることが多い
・ピンポイントで行きたい場所に行けない
・ルートにない観光スポットには行けない

初めての仙台観光をする人には「るーぷる仙台」はおススメだと思いました。

仙台の地理に詳しくなくてもバスに乗れば観光スポットを回ってくれるので迷わないです。バスに乗って市内を回っている内に土地勘も少しずつついてきます。

一方、何度か仙台観光に慣れていて行きたい場所が決まっている人には不便だと思いました。

場所によりますが路線バスや地下鉄を利用した方が早く行けると思います。

るーぷる仙台とは

「るーぷる仙台」とは

仙台市中心部の観光スポットを一方通行で循環運行する観光用の路線バスです。

レトロでおしゃれな外観のバスで、平日は20分に1本、休日と8月は15分に1本の間隔で運行しています。

車内もレトロな雰囲気で作られています。木製の座席は雰囲気が出ていて旅行気分を盛り上げてくれます。

仙台駅を出発し、1時間10分かけて観光スポットを1周して仙台駅に戻ってきます。停留所は16ケ所あります。

[バスで回れるメジャーな観光スポット] 瑞鳳殿・・・伊達政宗の豪華なお墓
仙台城跡・・・伊達政宗の騎馬像が資料館がある
国際センター・・・羽生結弦選手や荒川静香さんのモニュメントがある
大崎八幡宮・・・国宝の豪華な本殿がある神社

この他にも、自然史標本館、植物園、美術館などいくつものスポットがあります。

[料金(大人)] 1回の乗車の料金は260円
1日乗車券は630円
るーぷる仙台と地下鉄のセット料金で920円

バスを3回以上乗り降りする場合、1日乗車券を購入した方が安くなります。

るーぷる仙台の詳しい案内は公式HPをご覧下さい。公式HPはこちら

東京の「はとバス」は団体でバス旅行をするスタイルですが、「るーぷる仙台」はあくまで路線バスなので、ガイドさんがついてがっつり案内をしてくれる訳ではないです。

実際の体験をふまえてメリットとデメリットを書いていきます。

るーぷる仙台のメリット

休日は15分(平日は20分)間隔の運行なので気分次第で滞在時間の調整ができる

僕が利用したのは日曜日だったので休日ダイヤの15分間隔で運行されていました。

るーぷる仙台の公式HPには「見学時間の目安」が書かれています。瑞鳳殿は40~60分となっていました。僕は45分滞在していました。15分(平日なら20分)に1本の頻度でバスが回ってくるので、計画を立てやすいです。

伊達家の名所巡りをしようと計画していたので、瑞鳳殿、仙台城跡、大崎八幡宮の3ケ所には必ず行こうと決めていました。その他におもしろそうな場所があれば途中でバスを降りて向かおうと思っていました。

予定より長く滞在したり、逆に短くなったりすることがあります。でも15分に1本の頻度でバスが回ってくるので、時間調整をしやすいです。

バス内で観光スポットの説明が聞ける

バスの中は女性の声の自動音声が流れています。その時バスが通っている場所の説明や次の停留所にある観光スポットの説明が聞けました。日本語の説明のあと、ほぼ同じ内容で英語の説明が流れます。

バスの中ではないですが、仙台駅で出発するバスを待つ間、ガイドのおじさんがバス乗り場の案内をしながら観光スポットの簡単な説明をして下さっていました。

「青葉城は標高が120メートルもあり風が強いので注意して下さい」とか、「瑞鳳殿と大崎八幡宮は石畳を登るとき、先ほどの雨で滑りやすくなっています」などおっしゃっていました。

ちなみに瑞鳳殿に行った時に撮った写真がコレです。

この時は小雨が降っていて確かに少し滑りやすかったです。

バスに乗る時に観光スポットの説明を聞くと観光気分に浸ることができます。

地理が分からなくてもメジャーなスポットを回れる

初めて仙台を訪れて、地理が詳しくない人には心強いと思います。方向音痴の方にもおすすめです(笑)。

僕も観光に行く前に仙台の地図を見ていましたが、イマイチ頭には入りませんでした。やはり一度行ってみないと実際には分かりにくい気がします。

仙台市内は地下鉄が2本、バスの路線がたくさんあります。地下鉄は2本なので把握しやすいですが、路線バスはたくさんあるので、自分の行きたいスポットに向かうための路線バスを探すのに手間がかかります。本数も路線によってかわってきます。

もちろんタクシーで向かってもいいですが、少しお金がかかってしまします。

「るーぷる仙台」だと循環運転しているので、バス停に戻ることさえできればとりあえず迷わずに行くことができるので安心です。

バス停を降りる時に運転手さんが道を教えもらうことがありました。美術館に行こうとしてバスを降りた時、他に降りる人はいなく1人だけでした。降りる直前はスマホを見ていて外の景色はあまり見ていませんでした。

降りて、とりあえずバスの進行方向に歩きはじめたところ、「美術館は後ろの方ですよ」と運転手さんが言って下さいました。マイクを通して周りの人にも聞こえる声で言われてちょっと恥ずかしかったですが、助かったのは事実です。

バス停を基準に行動ができるメリットを感じました。

一日乗車券を持っていると割引料金で施設に入れる

一日乗車券を持っていると、観光スポットによっては割引料金で利用できる場所がいくつもあり、得した気分になります。施設の入場料の割引だったり、食事代100円引きだったり、施設によって特典があります。

今回僕が見学した瑞鳳殿は、通常料金が550円ですが100円引きの450円で入場できました。宮城県美術館の常設展は本来だと300円ですが、団体料金の240円で入場できました。

今回の一日の一人旅行で僕が割引料金はこの2ケ所で100円+60円=160円でした。

それほど大きな額ではないですが、お得ではあります。

観光後にるーぷる仙台のパンフレットを読んで知りましたが、大崎八幡宮では「絵葉書」と「参拝のしおり」をもらえたようです。御朱印を頂いた時に「参拝のしおり」はもらいましたが、1日乗車券を持っていることを受付の人に伝えなかったので絵葉書をもらい損ねました、残念。

購入特典は公式HPとパンフレットに詳しく書かれています。1日乗車券だと特典があって嬉しいです。

るーぷる仙台のデメリット

混んでいることが多い

僕が乗車した日、仙台駅で12:30に出発したバスの座席状況は、座席が全席うまる程度の乗車人数でした。

コロナウイルスの自粛ムードが出始めた頃で、普段よりは乗客が少なかったと思います。それでも予想していたよりたくさんの人が利用していると思いました。

3月下旬以降はさすがに出かけるのはためらわれますが、「この頃はまだ出かけてもいいかな~」というムードの時でした。

利用者は、若いデート中のカップル、中年代の夫婦、男性同士や女性同士の友達連れ、僕と同じ一人の人など、色んな人がいました。

口コミを見ていると、停留所で来たバスに乗ろうとしても、人がたくさん乗っていて更に次のバスを待たないといけなかったという声もあります。

乗り降りが多い停留所は特に要注意です。僕が利用した時に乗り降りが多かったのは、「瑞鳳殿前」と「仙台城跡」でした。もし利用する場合は、この2つの停留所からバスに乗るなら早めに停留所についていた方がいいと思います。

僕が利用した時は人が多くてバスに乗車できないというほど混んでなかったですが、座席に座れないことは何度かありました。立って乗っているのは少しつらかったです。運転手さんの運転は丁寧なんですが、それでも狭い道や山道はそれなりに揺れます。メジャーな観光スポットで多くの人が乗り降りするので、座れなければ長ければ20分位立ったままになります。

混んでいて乗れなかったり、座れなかったりするのは少し辛いです。

ピンポイントで行きたい場所に行けない

もし行きたい場所がピンポイントで1か所だけ決まっている時は、地下鉄や路線バスを使った方が便利な時もあります。

また、円を描くように1周して運行しているので、一度訪れたスポットにもう一度訪れたいと思ったとしても、逆向きに走るバスがないので戻ることができないです。もう1周しないとたどり着けません。

しっかり計画を立てていれば済む話ですが、時間をあまり決めずに観光している場合、融通が利かないところがあります。

ルートにない観光スポットには行けない

当たり前のことですが、ルートにない観光スポットに行くことはできません。仙台には他にも観光スポットがあります。その観光スポットに行けると思って利用してみたけれど、「実はルートになく行けなかった」ということがあるかもしれません。

行きたい場所がある場合は、るーぷる仙台で行ける場所かどうかを事前に調べておかないといけないと思います。

利用体験メモ

スケジュール

2020年3月のある日曜日の12:00頃~17:30頃に観光しました。

コロナウイルスが気になりましたが、バス乗車時はマスクをするなどの対策をし、屋外をメインに回ることにしました。このページで書いている入館料や運行時間はルートは全て2020年3月現在の情報で書いています。

観光していた時間はトータルで5時間20分程度です。

12:00過ぎに仙台駅に到着

12:30発 仙台駅前をバスで出発

12:45着 瑞鳳殿(ずいほうでん)到着を見学
13:30発

13:37着 仙台城跡を見学
14:22発

14:44着 大崎八幡宮(おおさきはちまんぐう)を参拝
15:13発

15:20 宮城県美術館で鑑賞
16:35発

16:55 仙台駅着

おまけ
17:05 仙台駅前高層ビルの展望台

17:20頃 観光終了

以上の流れで観光しました。

今回払った金額

今回の観光の僕の支出額は2,320円です。なお、家から仙台駅までの金額は入っていません。

2,320円の内訳
バスの一日乗車券 630円
瑞鳳殿の入場料 450円
仙台城跡の宮城県護国神社御朱印 500円
大崎八幡宮の御朱印 500円(金額自由)
宮城県美術館の入場料 240円

仙台駅の停留所

バス停の場所はちょっと分かりにくいですが、看板に従って行くとチケット売り場に着きました。駅前のペデストリアンデッキ(立体遊歩道)からバス乗り場の方に向かいます。

瑞鳳殿を見学

12:45 瑞鳳殿に到着

仙台駅を出発して15分バスに乗り、最初の目的地「瑞鳳殿前」で降りました。バス停から瑞鳳殿までは坂道と石段を登ります。5分ほど歩いて瑞鳳殿の入口に到着しました。行った時は雨が降ったりやんだりを繰り返すような天気でした。

豪華な霊屋があり、術作品として見ごたえがありました。資料館もあり、副葬品の展示がありました。

一度、日光東照宮に行ってから「絢爛豪華」とされる「桃山文化」「寛永文化」が好きになっていました。日光東照宮と同時期に建てられた瑞鳳殿も豪華な雰囲気があり素敵でした。今ある瑞鳳殿は1945年に焼失して1979年に再建されたものです。

瑞鳳殿の公式HPに詳しい説明やイベント情報、写真があります。公式HPはこちらへ

資料館を見たり霊屋にお参りしたりして30分ほど滞在し、13:30発のバスに乗り次のスポットへ向かいました。

仙台城跡へ

13:37 仙台城跡に到着

仙台城は青葉城とも言われています。瑞鳳殿では雨が降っていましたが、ここに来ると晴れてきました。

仙台城跡と言えば伊達政宗公の騎馬像!これぞ「ザ・仙台」というくらい、仙台を紹介するパンフレットに載っている像は、この仙台城跡にあります。この騎馬像を背景に写真を撮れば仙台に来た証明写真になります(笑)。

仙台城跡は標高が高いので仙台の街がよく見えます。仙台城跡は無料で自由に出入りできます。見晴らしがいいのは気分が良かったです。

仙台城跡に「宮城県護国神社」があり、そちらにも参拝し御朱印も頂きました。御朱印は500円でした。

他に仙台城跡には「青葉城資料展示館」があります。この資料館は一度行ったことがあったので今回はパスしました。中は青葉城にまつわる資料が展示されています。そして、CGシアターがあり、映像で伊達家や仙台城のことが分かりやすく説明されています。

このCGはすごく作りこまれていて見ごたえがあります。仙台のことをそれまであまり知りませんでしたが、伊達政宗公によって仙台が発展する基礎がいかに作られたかがよく分かりました。

資料館と同じ建物の1階がお土産物屋になっています。こけしを彫っている職人さんの実演を見ることができました。資料館の隣には食事場所のレストランとフードコートがあります。

資料館やレストランについては青葉城本丸会館のHPに詳しい説明があります。HPはこちらへ

城跡のトイレの隣に無料で入ることができる「仙台城見聞館」がありました。トイレに行って帰ろうとする時に気づきました。存在感がなさすぎ(-.-)です。中をのぞいてみると、仙台城の発掘に関する資料が展示されていました。

仙台城跡には40分位滞在し、14:22発のバスで出発しました。

大崎八幡宮に参拝

14:43に大崎八幡宮に到着。

大崎八幡宮のことは、宮城県の初詣ランキングで上位にあるので存在は知っていました。県内では有名な初詣スポットです。伊達家とゆかりのある神社で、社殿は国宝に指定されています。瑞鳳殿と同じく豪華な造りで、みどころが十分ありました。

お参りする際に使う鈴緒(すずお)は写真の通り縛って使えないようになっていました。コロナウイルスの感染予防対策ということでした。

参拝の証として御朱印を頂きました。御朱印も感染予防対策のため、その場で書くのではなく紙で書かれたものを渡され、自分で御朱印帳に貼るスタイルになっていました。

なんと「料金は自分で決めて下さい」と言われました。最近御朱印を集め始めましたが、料金を自分で決めるのは初めてです。すぐ前に訪れた宮城県護国神社が500円だったので、とっさに同じ金額にしようと思い、500円を納めました。

大崎八幡宮の公式HPはこちら。30分ほど滞在し、15:13発のバスに乗りました。

国際センター駅

7分ほどバスに乗り、15:20に「二高・宮城県美術館前」に到着。停留所を降りて、5分ほど歩いたところにある地下鉄東西線の「国際センター駅」に行きました。地元の金メダリストをたたえるモニュメントがあるということで、見に行きたかったからです。

荒川静香さんと羽生結弦選手のサイン入りモニュメントが駅前にあります。手形もありました。モニュメントを見ていて、「スポーツで人を勇気づけられる人ってすごいな」と単純に感動していました。

駅周辺も整備されていてきれいでした。遊んでいる親子連れも見かけました。駅の2階はカフェになっていて、市民の憩いの場所になっています。周辺を軽く散策してから美術館の方に戻りました。

宮城県美術館へ

時間に余裕があったので、行く計画はしていませんでしたが訪れましたが「宮城県美術館」に行きました。日常的に絵の鑑賞はほとんどしないのですが、せっかく旅行気分で来ているので日常生活であまりしないことをしよう思い訪れました。

普段の自分なら向かわないスポットに訪れることができるのも、るーぷる仙台の魅力の1つかもしれません。

観覧料は通常だと300円のところ、「るーぷる仙台」のチケットを見せると240円になりました。

常設展には東北地方や宮城県に関係のある作品が展示されています。見ていて、制昨年が1900年頃から1940年代頃の作品が多いのかな~と思いました。絵に対する知識がほぼないので、芸術性についてはコメントは控えます。

増築された別館に佐藤忠良記念館(さとうちゅうりょうきねんかん)があります。宮城県出身の佐藤忠良氏から寄贈された美術作品を展示しているようです。

美術館は常設展以外の場所は無料で入って行けるようになっています。中庭も整備されていてきれいでしたし、カフェスペースもおしゃれでした。ちょっとした気晴らしに散策できる場所だと思います。

美術館のたくさんある作品の中で僕が一番おもしろいと思ったのは、小出保子氏の絵本「もりのひなまつり」の原画の展示です。初めてこの絵本に触れました。かわいいネズミがお雛様の人形と触れ合う内容で、気持ちがほっこり微笑ましくなりました。

美術館というとちょっと近寄りがたいイメージを勝手に持っていましたが、意外に一般人でも入って行けるもんだな~と改めて気づき、また行ってみてもいいもしれないと思うようになりました。

宮城県美術館の公式HPはこちらへ。時期によっては特別展も開催しています。

美術館には1時間ほど滞在し、16:35発のバスに乗って仙台駅に向かいました。

仙台駅前の高層ビルの展望テラス(無料)へ

約20分バスに乗り、16:55頃仙台駅前に到着しました。最後に仙台市内を眺めようと思い、バスを降りてから5分ほど歩いて駅前にある高層ビル「AER」(アエル)の展望テラスに向かいました。展望テラスは31階にあり、市内がよく見渡せます。

高い場所から街を眺めるのが好きなので、仙台駅周辺で時間があると時々行きます。展望テラスに行くには高層階行きのエレベーターに乗らないといけないため、ちょっと分かりにくいです。

展望テラスは無料で利用できます。まったりと街を眺めたい時におすすめです。

10分ほどまったりして過ごしていました。

利用する人に向けた注意点とまとめ

「るーぷる仙台」は使い方によっては便利だと思います。仙台の街並みをバスから見ることもでき、観光スポットにも気軽に立ち寄れるのは便利でした。乗車券を見せて割引のサービスがあるのも、お得感を感じられて嬉しいです。メリットとデメリットを紹介しましたが、メリットの方が大きいと思います。

最後に注意点として以下まとめます。

・行きたい観光地がルートに入っているか必ずチェックする!
・「瑞鳳殿」と「仙台城跡」の停留所は混むので早めにバス停に向かう。
・バスは混んでいることが多く、座れない覚悟が必要。

仙台観光を計画している方に役に立ちましたら幸いです。

最後まで読んで下さりありがとうございました。